envy - From Here to Eternity (1998)

※2020年7月27日 投稿
※2021年1月16日 体裁の調整

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去年の終わりごろからエモヴァイオレンス、激情系ハードコアの系譜にあるバンドのライブを見る機会がちょくちょくあり、そこから自分もそのジャンルにハマってたまに聴くようになった。envyはその中で好きになったバンドの中の一つだ。

彼らの音楽性は、後期になるにつれてポストロックに接近し、より静謐なものに変化する(らしい)が、今作で聴けるのは直情的で荒々しいサウンドだ。と言ってもずっと直線的なわけではなく、その中にも静かになる瞬間や展開の変化もある。その緩急がバンドサウンドとしてのカタルシスを生んでおり、聞いていて心地いい。portraits of pastに似たドラマチックさを感じる。

2曲目の「Trembled」は、このアルバムの曲の中で一番インパクトがあるように感じる。お経のような歌とギターリフが静かに繰り返される中で、ゆっくりゆっくりと演奏が怪しげに変化していく。その不穏さがピークに達したところで、ドラム以外のピタッと演奏が止まり、そこから全てを蹂躙するような圧倒的な爆発力で疾走する。このカタルシスが聞いていて最高に気持ちいい。「Compensation」も、曲展開が最高な曲だ。始まりから激しい曲だけど、一度嵐が去ったように静かになった後、特徴的なギターリフが繰り返されて、第二幕だと言わんばかりに再び盛り上がっていく。叫び声が残響するような終わり方も最高。「For You Who Died」は、イントロから始まりアウトロまで、ギターのフレーズが終始抒情的でかつ勢いがありかっこいい。3分でスッと終わるのも潔くて好きだ。

場所は部屋でも、公園でも、あるいはその辺の道でも良いんだけど、夜の22時~26時くらいの時間帯によくこのアルバムを聴きたくなる。深夜に一人でいるあの感じのときが一番アイデンティファイできる。

 

色々書いてみたけど、後期の作品はまだ全然聞けてないので今度聞いたら感想を書いてみようと思う。