※2020年8月5日 投稿
※2021年1月16日 体裁の調整
メンバーにペイブメントのStephen MalkmusとBob Nastanovichがいるという事実と、自分もその文脈で知ったという経緯から、どうしても彼らの作品との比較になってしまう。
気だるげなボーカルにヘタウマな演奏というスタイルという意味では割と共通していて、音の質感的には『Crooked Rain, Crooked Rain』以降の感じに近いように感じる。大きな違いとして、ペイブメントの2nd以降の作品では影を潜めてしまった、シリアスでダウナーな雰囲気や、薄暗くて先の見えない感じをこのアルバムは持っている気がする。諦めの混じった皮肉めいた形で吐き出されるやるせなさも悪くないと感じるが、ストレートで生々しい表現もやっぱり良い。
好きな曲はたくさんあるが、特に印象的なのは冒頭の二曲だ。
淡々と進行しつつも、暖かみのあるギターや管楽器が印象的な「Random Rules」は夕暮れどきのおセンチなマインドのときに聴きたい。2曲目の「Smith & Jones Forever」は、1曲目に比べると、深く沈んだ感じの曲。ドラムの裏打ちのフレーズの小気味よさや、ちょっと変わった歌メロが癖になる。
他には「Night Society」「Blue Arrangements」「Buckingham Rabbit」「The Wild Kindness」あたりも気に入っている。
最近90年代のUSギターロックを結構聞いているから、今度気が向いたら別のバンドのアルバムの感想も書いてみようと思う。