※2020年9月26日 投稿
※2021年1月16日 体裁の調整、加筆修正
ロシアのバンドの89年作。言語の壁もあり、あまり実態を掴めていないが、どうやらこのバンドはロシア国内では伝説的な扱いをされているようだ。
個性的なバンドサウンドだ。一言で言い表すならポストパンクなのだが、妙にローファイでインダストリアルな質感が良い。このテイストは、多くの音楽を研究していなければ中々出せないモノだろう。当時のソ連において音楽文化がどのようなものであったのかは知らないが、このアルバムを聞けば、若者の間で欧米の流行音楽が出回っていたことが想像できる。
上に書いたように、バンドアンサンブルも非常に練られているのだが、歌のメロディも非常に良い。フロントマンのYegor Letovの呪詛ボイスとロシア語の詩で紡がれる独特のメロディは、非常に特徴的だ。また、歌の不気味さ(不気味に感じるのは私が日本人であるからなのだろうか。ロシアに生まれ育った人はこれをどのように捉えているのだろう)が、陰鬱で過激なバンドサウンドとよく調和しているのも素晴らしい。