進士五十八・鈴木誠・一場博幸(1994)『ルーラル・ランドスケープ・デザインの手法』学芸出版社

「環境デザイン」についての本。アーバンデザイン建築的方法、シビックデザイン=土木的方法、ランドスケープデザイン=造園的方法、の3つの系統についてそれぞれの問題点を整理。その上で「ルーラル・ランドスケープ・デザイン」というものを提唱。要点は、…

『建築スケッチ・パース基本の「き」』/山田雅夫

スケッチやパースをちょっとでも上手にこなせるようになったらいいな、と思って取り組んでいる。正直上達の実感はあまりないけど、絵が下手な自分が恥ずかしいと思う意識は少し薄れたような気もする(それについてはこの本とは関係ないところでの精神の鍛練…

『都市の音』/吉村弘

環境音楽家として活躍された故・吉村弘氏の1990年の著作。当時の東京を舞台にして、著者自身の実感を込めながらエッセイのような文体で、「音」について文章を綴っている。街の中にある音に気づくためのきっかけにしてみると、楽しいかもしれない。また外に…

『まちを想う:西村幸夫講演・対談集』/西村幸夫

2018年3月に定年退職をなされた西村幸夫先生の講演・対談集。特に第四章のインタビューが印象に残った。歴史や時間といったものからの視線をまちに向けるということや、地域住民の立場に立って将来を考えていくのが重要であるということは、現在ではよく言わ…

『まちづくり都市 金沢』/山出保

ずっと積んでいたがようやく読んだ。1990年から2010年まで金沢市長を務めた山出保が、金沢におけるまちづくりの実践をまとめている。へえーって感心したり、そうだよなあとニヤニヤしたりしながら読み進めた。自分が石川や金沢に執着している人間だから本書…

『人間の街:公共空間のデザイン』/ヤン・ゲール著、北原理雄訳

いわゆる読書会というやつに参加することになり、そこでこの本をみんなで読みましょうという話に決まったので本書を手に取った。著者のヤン・ゲール氏については、そこで初めて知った。彼の経歴を説明すると1936年にデンマークに生まれて60年にデンマーク王…

『図面でひもとく名建築』/五十嵐 太郎、菊地 尊也、東北大学五十嵐太郎研究室編著

図面を見てもそれが全然ピンと来ていないことをずっと感じていて、まずはここを何とかしないといけないと思い、先月の頭に購入して少しずつ読んでる。今は大体半分くらいまで来た。 本書では、見開きの右側のページに建物の情報を伏せた上で図面と簡単な問い…

『散歩の達人 2020年6月号』/交通新聞社

散歩という趣味は、この世間において根強い人気を誇っていて、それを取り扱ったテレビ番組や本がごまんとある。『散歩の達人』もその一つと言っていいだろう。 この際だからはっきりと言うが、地理好きだの散歩好きだのそのようなことを自称する人たちの間に…

『日本都市史・建築史事典』/都市史学会

やたらイカツイ本を見つけたので、借りてみた。上の写真では伝わりづらいが、この本はかなりデカい。横19.5cm×縦26.5cmのサイズで、また650ページの厚さがある。 簡単に本書の概要を解説をする。『日本都市史・建築史辞典』は、丸善出版から2018年に刊行され…

『東京現代建築ガイドⅡ 2000's』/松葉一清著

1999年に刊行された本で、同じく松葉氏の1992年の『東京建築ガイド』に続く著作のようだ。1990年代に作られた200の建築物について、白黒の写真と解説文が続く。一時代に注目して取り上げている分、時代の輪郭がはっきりと見えて分かりやすい。特に、お台場な…

『新装版 東京建築ガイドマップ』/倉方俊輔、斎藤理

自分で買ったのだか、父親に買い与えられたのだか、ずっと前のことなのでもはや忘れてしまったが、この本は数年間自室の中で数度しか開かれることがなく、そして本棚で眠りの時を過ごすうちに私の心をじわりじわりと圧迫する呪いの書物と化してしまった。 そ…

『都市計画家 石川栄耀―都市探求の軌跡 』/中島直人ほか

「社会に対する愛情 それを都市計画と云う」(石川栄耀) 私は、他人を想像すること、他人と関わることが得意でないのだと思う。事実過去にそれが原因でひどく苦労し、また現在進行形で苦労させられている。日本における偉大な都市計画家の一人である石川栄…

『サウンドスケープーその思想と実践』/鳥越けい子著

カナダの作曲家マリー・シェーファーが提唱した「サウンドスケープ」概念およびその研究と実践について述べた本。建築・都市の分野の著書を取り扱うSD選書から出版されていることからも想像がつくように、本書にはサウンドスケープをまちづくりに展開するこ…