エレファントカシマシ - 明日に向かって走れ-月夜の歌- (1997)

※2020年10月25日 投稿
※2021年1月16日 体裁の調整

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ポニーキャニオン移籍後の第二作。一番売れたらしい。

前作よりもポップに落ち着いた感じでアレンジがまとまっていて、そのおかげで宮本の好古趣味がうまく作品に落とし込められている気がする。

M-3「風に吹かれて」は、メロディアスなギターやドラマチックな歌メロが印象的な曲。今作の抑圧された音作りが曲の世界観を上手く作っている気がする。M-4「ふたりの冬」やM-7「遠い浜辺」は、静かで落ち着いた良い曲。しっとりとした中に抒情的な響きがあるのが良い。M-8「赤い薔薇」は、めちゃくちゃポップなんだけど、どこか落ち着きのない跳ねるようなリズムやメロディがちょっと珍しい変な曲。疲れ果てた勤め人の悲哀のようなものと同時に、あどけない無邪気な可愛さみたいなものも感じる。M-11「今宵の月のように」は、曲単体でかなり有名だけど、このアルバム全体の「夜」っぽい感じにもよく合っていて最後の曲としてピッタリだと思う。

自分にとっての音楽の重要な意味の一つとして、音楽のイメージが自分自身の現実や心情と重なって感じられることがあると思っている。その点では、前作も併せてこの時期の楽曲が一番自分にしっくり来る。