2023-01-12 「貫くのみ」という言葉

アニガサキ1期12話のある場面で、優木せつ菜が「始まったのなら貫くのみです!」と言う。
実は、僕はこの言葉をあまり好きではなかった。それは、「のみ」と限定することで退路を断ち切るようなニュアンスがやや気にくわなかったからである。ある種の思考停止によって自分から逃げ道を塞いでしまう態度が、どこか危険に思えた。
(もちろん、そんな負の面は承知の上で、あえて「のみ」と言い切ってやり遂げようとする意志のアツさは好きだったのだが)

最近は、違う風に考えられるようになってきた。
ここでせつ菜が言いたいのは、「始めた」ときの気持ちを大切にしろ、ということなんだと思う。

日々生活していく中で、気持ちは移ろっていく。
ときに、過去の気持ちはどこかに行ってしまって、自分が何をしたらいいか分からなくなってしまうこともある。
そんなときに、過去の自分の選択は、ある種確かなものとして一つの頼りとなる。
自分がそれを「始めた」ときには、必ず何かしらの思いがあったはずだから。
ゆえに、分からなくなった時は、過去の自分を”あえて”信じて行動してみることには価値がある。

 

自分自身の問題として、研究をやっているうちに、自分が何をしたいのかどんどん分からなくなっていて、迷宮に迷い込んでしまった経験から、以上のように考えるようになった。
あと、デカルトの『方法序説』を読んで、「森の中の旅人」と比較しながら、せつ菜の言葉を思い起こしていたというのもある。

 

実は、サブ垢の固定ツイートに優木せつ菜の画像を置いている背景には、このような考えがあった。