eastern youth - 2020 (2020)

※2020年9月16日 投稿
※2021年1月16日 体裁の調整

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イースタンユースの新作。

轟音できらびやかな、生命力にあふれたギターに、大げさなまでに伸びやかで豪快な歌の組み合わせは、『DON QUIJOTE』以降ずっと彼らが用いてきて手法であるが、ファンとしては分かっていてもやっぱり聞いていて気持ちいい。

M-1「今日も続いていく」は、前作の「ソンゲントジユウ」のような、すごくイースタンユースっぽい曲。ギターがバーン!と豪快にコードを鳴らせば空気が変わる。そこに吉野さんのボイスとギラギラと照らすようなギターの単音が加われば、イースタンユースサウンドの完成である。変拍子もピタッとハマっていて聞いていて心地いい。M-3「カゲロウノマチ」は、「おしまいだ何もかも」という身も蓋もないような歌詞、ギターの疾走感、それと優しく暖かみのあるメロディが聞いていて気持ちいい。M-4「雑踏に紛れて消えて」もM-1と同じく変拍子を用いた曲。歌やギターのキメの部分はあくまでいつもの彼ららしいものだが、展開の意外性もあり、イースタン節を改めて新鮮な感触で味わえる。M-6「それぞれの迷路」、M-8「月に手を伸ばせ」はどちらも優しく淡いメロディーが印象的な曲。飾り気やポーズのようなものはほとんど感じなくて、歌が、他者を拒むでもなく受け入れるでもなく、ただそこで鳴っているような感覚を覚える。

 

こういう時代だからこそ、今作を聞いていると、彼らがいつもの音を鳴らしてくれていることに深い安心感を覚える。