SUGAR BABE - SONGS (1975)

※2020年12月1日 投稿
※2021年1月16日 体裁の調整

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東京、十一月の午前七時。夜の間にすっこり冷え込んでしまった空気の緊張を淡く溶かすように、朝の光は優しく降り注いでいる。起きたばかりの身体でそんな街を行くとき、このアルバムはぴったりのBGMになってくれる。

山下達郎大貫妙子を擁したバンドSUGAR BABEの唯一のオリジナルアルバムであるこの作品には、「良質なポップス」という形容がこれ以上ないくらい似合うだろう。都市で暮らす若者の風景を切り取ったような歌詞、鮮やかで美しいメロディーとハーモニー、そして何より、瑞々しく洗練されたアレンジは、どれも完成度が高く一点の粗も見当たらない。『SONGS』は、まさしくニューミュージック/シティポップのマスターピースとして、現在の東京の姿にもよく重なる音の世界を表現している。