2020-12-21 秋葉原へ

今日も意味なく散歩をした。目的地は秋葉原である。勉強と言われるようなことは何もしえいない身であっても、歩いていると身体だけでもどこかへ進んでいる気分を味わえる。
頭の中の世界では、前進がない分、昔のことを思い出してばかりいる気がする。秋葉原は、私にとって非常に思い出深いところだ。初めて訪れたのは、中学から高校へ上がる前の春休み。その時は家族(大学に進学する兄のため)に連れられて来たのだが、街の雰囲気の異様さに圧倒されたのをよく覚えている。今でもいつも広告が出ている例の交差点には、その時は『ブラック・ブレット』の広告が出ていて、特にそれが印象的であった。当時はちょうどアニメカルチャーに興味を持ち始めていた頃であったけど、今思えばそれからさらに強く打ち込むようになっていったのは、秋葉原での体験の影響なのかもしれない。
次に訪れたのは、受験のとき。お茶の水にホテルを取ってもらったので、秋葉原へのアクセスも良かった。一回目のとき、受験翌日に観光をして帰るつもりが、朝ホテルでスマホを水没させてしまい、途方に暮れながら歩いていたら、神田明神へ続く例の階段を見つけて強い既視感を覚えるという奇跡的な体験をしたことは今でも忘れない。二回目のときには、ソフマップ店内の異様さにひどく興奮した。一度目のときも、アイマスのCDを買いに訪れていたのだが、その時は二回目で慣れていたのもあり、ゲームのフロアをまじまじと眺めることが出来た。『WHITE ALBUM2』をプレイしたのもその時に店頭に並んでいたのが印象的だったからである気がする。
東京で暮らし始めてからも、かなりの頻度で秋葉原へ訪れ続けている。何がここまで自分を引き付けているのかはあまり分からないけど、上で述べたような自分にとっての原体験を再生産しているというのは確かである気がしている。何も分からない頃に強烈に体験した曖昧で混沌としたものが、一体何であったか、何であるかを確かめようとしているのかもしれない。パブリックな空間に現れる二次元美少女の絵が原体験であるというのは、かなり滑稽だけど。

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