『日本都市史・建築史事典』/都市史学会

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やたらイカツイ本を見つけたので、借りてみた。上の写真では伝わりづらいが、この本はかなりデカい。横19.5cm×縦26.5cmのサイズで、また650ページの厚さがある。

簡単に本書の概要を解説をする。『日本都市史・建築史辞典』は、丸善出版から2018年に刊行された書籍で、全10章にわたって日本の建築と都市の歴史を通覧できる書籍だ。章立てとしては、第1章から第10章まで順番に、「古代」「中世」「近世」「近代」「現代」「都市計画史とまちづくり」「都市民俗学」「土木史」「歴史地理学」「考古学」となっている。また付録として、「日本建築の基礎知識」および「近代洋風建築の基礎知識」が収録されている。

私個人の専門として最も読むべき箇所は、第六章「都市計画史とまちづくり」で、ここの部分だけでも充分価値があるように思える。順序立てて専門用語を解説しているため、本書のタイトルにもあるように、読者が辞典として使うことが出来るようになっている。また、単に用語を列挙しているだけではなく、テーマごとに歴史的な流れを説明した部分もあり、それも分かりやすそう。

その他の章についても、色々と発見を得られそうだ。知らないことだらけなのだが、パラパラパラと眺めているだけでも関心をそそられる。これを全部通読するのは自分には難しそうだが、適宜何かのヒントとして使うのがよさそうだ。

高価な書籍であるから購入して自宅に置いておくことが中々難しいため、何か気になることがある際に、図書館で借りて良い具合に参照元として利用していくという使い方が妥当なところかなと思う。また、都市史という分野においては、『図集 日本都市史』(1993年)や『日本都市史入門Ⅰ~Ⅲ』(1989年~1990年)といった書籍が東京大学出版会から刊行されているようなので、そちらもまたの機会に手に取ってみたいと思う。