2021-02-22

どうにもダメでずっと寝てばかりで過ごしてしまい、それからなけなしの元気を振り絞って少し深夜徘徊をしてきた。

外に出てみると、空気が、切なくて優しい。ここ数日はとても暖かく、体感的には四月くらいの気候と比較しても遜色がないように思える。そのようなポカポカの気候だからか、歩いているうちに、去年の春先にもちょうど同じような午前零時ごろの時間帯に一人で外を歩いていたことを思い出した。あれからいろいろなことを経験しまた考えたような気がするけど、自分が少し変化したような、あるいはまったく変わっていないような不思議な心地がする。どうにも、感傷的な気分が行き過ぎると、過去のことが全部夢であったように感じてしまうみたいだ。まあともかく、そんなおセンチな気分に浸りつつも、半年ほど前から道の脇にずっと放置されている座椅子が今日も健在であることを確認し喜劇的な楽しさを覚えてみたり、いつもとは違う裏道を通って新鮮な驚きと発見を味わってみたり、人が全然いないさま・少しはいるさまをちょっと観察してみたり、となかなか充実した夜の小旅行だった。

youtu.be

風景や空気を借景にして音楽を聞く体験はやはりとても楽しく、イヤホンを外して街の音を聞かなきゃと思いつつも、ついつい好きな音楽を聞きながら歩いてしまう。羅針盤の「永遠のうた」は、この独特のふわふわした音像も素晴らしいのだが、ちょっと遅めのBPMで繰り出されるビート感が歩く速度にちょうどよく、足取りを軽快なものにしてくれる。BGMとしての音楽が歩行者にどのような影響を与えるのかというのは、バンド単位、楽曲単位でそれぞれ全く違っているように感じるけど、そういう観点から自分の好きな曲を捉えなおしてみるというのも楽しそう。