『人間の街:公共空間のデザイン』/ヤン・ゲール著、北原理雄訳

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いわゆる読書会というやつに参加することになり、そこでこの本をみんなで読みましょうという話に決まったので本書を手に取った。著者のヤン・ゲール氏については、そこで初めて知った。彼の経歴を説明すると1936年にデンマークに生まれて60年にデンマーク王立大学建築学部を卒業、それからは長年都市計画に携わってきたようだ。

冒頭で彼女を話題に出していることからも分かるように、彼の主張はジェイン・ジェイコブスの影響を受けているところが強いのかもしれない。本書で彼は、自動車交通への対応と近代主義的なデザインばかりを重視してきた建築家、計画家を批判し、「人間」を大事にすることの重要性を述べている。人間こそが街の主体であり、「人間の街」を作ることが必要である。人間の身体感覚に適した設計が重要であり、「人間の次元」を都市計画の中に取り戻すことが必要である。と、彼は主張している。

似たようなテーマを反復的に書いていく構成を取っているからか、文章がやや頭に入って来にくいところもあったが、そこも繰り返して読み返すうちに少しずつ分かってきた。大サイズの写真を用いた事例紹介が多く、世界各国の都市の様子について少し知識を得られたのも良かった。人間を思いやることが何よりも重要だ、という落としどころも自分のエモ的なところにしっくり来た。

 

 

明日何か発表することになっているもののあんまり準備が進んでいないのだけど、どうしよう。まあ適当でいいか。