2021-03-24 すぐ行くよどこにいても

高校生の頃、勉強は嫌いだったけど、英語だけは学習していて悪い気はしなかった。特に好きだったのは和訳や文法で、話したり聞いたりするのは全然ダメだったけれど、それもそれほど嫌いではなかった。時には、日本人なまりの発音を改善しようと思って、電子辞書に付いていたおまけのデータやユーチューブを利用して練習をしたのを覚えている。結局、ほんのすこししかちゃんと習得できるものはなかったけど、もはや毎日のように英語にかじりつくことがなくなった今日からすれば、その「ほんのすこし」がとても貴重に思える。

昔、渋谷のツタヤでCDを見ていたら、突然知らない人に話しかけられたことがあった。話を聞くと、どうやらドイツ(オーストリアだったような気もする)から来た観光客のようで、秋葉原に行く方法を教えてほしいとのこと。どちらもネイティブスピーカーではないものの、会話のツールとして自然と英語が選択された。こちらはテンパってしまったのもあり知識不足もあり、あわあわした口ぶりになってしまったのだが、向こうもあまり英語は堪能ではないようだった。どうすれば上手く会話できるかなと思って、テクノロジーを利用することにした。Googleの翻訳や地図機能を使いながら何とか説明をする。最終的には、JRのYamanote LineでArriveできるから、とりあえずShibuya StationにGoすればOK、ということは伝わったようだった。礼を言って去っていくその人を見送った。

本来、言語の障壁がある人同士が意志を通わすその瞬間にドラマチックな嬉しさを感じた。そのような至福のひとときがそっと訪れるような場が、まちにはあってほしいと思う。

 

ハレルヤズの楽曲に「すぐ行くよどこにいても」という大名曲がある。柴山伸二の「ラララ」と歌う声が印象的だ。不安定で少しあっけらかんとしたようなところのある彼の歌声にメロメロになってしまう。この「ラララ」が、不思議と日本風に聞こえる。気のせいだろうか。日本語の話者であるからこそ、「LaLaLa」ではなく「ラララ」になっているような。英語のLとRの発音の違いを十分に掴み切れていない者の思い付きのでたらめ評だけど、そんな風に考えてみると楽しいなと思った。

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