andymori - 革命 (2011)

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51kQU5n3b-L._AC_.jpg

まじめに書く。

『革命』を聞いていると、何とも言えない気分になる。と言うのも、初期二作ではサウンド全体が才気と熱に満ち溢れていたのが、この三作目のアルバムにおいてはすっかり凡庸なものに成り下がってしまっているからだ。

表題曲である「革命」を、正直あまり好きになれない。スローなパートから急加速する展開は、バンド初期からのお馴染みのパターンであるのだが、何だか物足りない。この楽曲には「everything is my guitar」のような痛快さはなく、また「CITY LIGHTS」のような抒情性もない。音も言葉も軽いのだ。その後も、同じようなパターンの曲が続くが、どれも退屈で心に刺さらない。聞いているうちに、あまりにも素晴らしかった前の二作と比較してしまって、何かかけがいのないものが失われてしまったんだと、寂しい気分になってくる。

とは言え、つまらない作品だと言って切り捨てるつもりはない。やっぱりそれでも好きだから、わざわざこのようにしてブログに取り上げているのである。

「投げKISSをあげるよ」という名曲が、このアルバムのエンドロールとして収録されている。ほとんどの部分が4つのコードだけで構成されているシンプルな曲なのだが、これが本当に素晴らしい。詩の内容は、自暴自棄になって全てを投げ出そうとしながらも、その中で何とかお気楽な希望を紡ごうとしている心模様を描いているようだ。やるせない気分の時に聞くと、救われる気分になる。「ハッピーエンド」と「クレイジークレイマー」と、それからこの「投げKISSをあげるよ」が、andymoriの個人的フェイバリットソングだ。