2021-05-23 青すぎる空

久しぶりの晴天だった。昼下がりに電車に乗り込んで北へ移動する。ガタゴトと揺られながら、イヤホンを耳に入れて窓の外を眺める。音と風景が混ざり合って刹那的な感傷の情景が浮かび上がる。いい気分だ。

駅を出て、目的地へと歩く。

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駅から向かう道中。少し盛り上がった地盤の上に団地がある。また団地内の地下をトンネルが貫いている(あとの写真を参照)。

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団地の入り口。高低差の処理の仕方が印象的。

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住棟の様子。どの棟もRCで約10Fのつくりになっている。また、写真手前に写っている広々とした公園は何だかまぶしかった。

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住棟の内側にできた中庭。リノベーションの際にかつての平行的な配置から囲むような配置へと変化した。

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生い茂る緑。

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赤羽台トンネルについて書かれた碑。都市計画道路に対する団地住民の反対運動があったようだ。

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地面に刺さったボールペン。

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廃校になった小学校。中の様子を少し覗くと猫と目が合った。

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スターハウス。ポイントハウスの一種。平面的に見ると星(スター)のような形をしている。


今日の目的地は、JR赤羽駅を出て西の方角へ5分ほど歩いたところにある団地だ。60年代に日本住宅公団が造成した公団住宅である。かつては「赤羽台団地」と呼ばれていていたが、現在は建て替えが進むとともに「ヌーヴェル赤羽台」と呼ばれるようになっている。

さて、今日わざわざ赤羽台まで足を運んだのにはいくつか理由がある。一つは、ヌーヴェル赤羽台の環境を見ておきたかったから。ここはUR都市機構による団地のリノベーション事例として有名だ。集合住宅に関する知見を養うためにも、一度現地に赴きたいと以前より思っていた。

もう一つの理由は、スターハウスを見ておきたかったから、というもの。旧赤羽台団地内には、「スターハウス」と呼ばれる独特の形をした住棟があった。現在は、改修されずにかつての姿のまま残っている状況である。それが、2019に国の登録有形文化財に登録された。そんなスターハウスを今後リノベーションしようという話があるらしい。そして、その改修の企画案をURがコンペ形式で一般から募集している。締め切りは8月末。

夏休み。流石に二度目の三年の夏を棒に振るわけにもいかない、振りたくないので、何かしら自分の為になることにチャレンジしたい。以前からそう思っていたところだったので、URのコンペの話を耳にしてこれは良いかもと思った。昨日の土曜日にはコンペの説明会(的なウェブのイベント)にも参加したりもした。が一方で、なかなか自分の頭の中にイメージが湧いてこない。またコンペへの参加を即決できるほど気持ちが固まり切ってはおらず、どっち付かずの悶々とした状態になっていた。とりあえず考えるより行動してみようということで、赤羽台まで足を運んだというわけだ。

 

自分が本当にやりたいことが見えてきているかもしれない。でもそのためには技術も知識も全く足りてなくて。だから努力しなければいけない。始まったのなら、貫くのみ。その哲学を今一度真摯に心に刻んで、謙虚な努力を。青すぎる空を見上げながらそんなことを思った。