2021-05-26 『またぞろ。』1巻を読みました

今日は、芳文社のきららキャラットで連載中の『またぞろ』の1巻(4/27発売)を読んだ。衝撃を受けた。物語の軸にいるのは、留年して二度目の高校一年生を過ごす女子高生たち。特に主人公の穂波殊というキャラクターが、個人的に刺さった。

物語には三人の留年生が登場する。一口に「留年」と言っても、それぞれ事情は異なっている。深刻な健康上の理由のために学校へ行けなかった子と、学校の外で夢中になれることがあるために真面目に学校へ行くことを選択しなかった子と、自活能力がなくてそんな自分に嫌になって学校へ行かなかった子。主人公の殊は三番目にあたる。

同じ留年生同士で比較しても、他の二人にはそれぞれ立派な事情や才能があるのに比べて、殊ちゃんはダメさが目立つ。勉学の特別な才能はない、コミュニケーションは得意ではない、そして朝は起きられない。

これと言った志もないままに、怠惰や無能のために一年間をドブに捨ててしまった。作中でも、そんな彼女の卑屈さが目立つ。

しかし、彼女はそれでも足掻いている。折れそうになりながらも、まだ完全には折れていない。倒れそうになりながらも、まだ立っている。そのような態度は甘えだと言い捨てる論理も分かるが、自分は彼女の姿に「萌え」を感じてしまう。

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