2021-06-03 もう少しだよ

人生は緊張や不安の連続だ。それらを生んでいるのは、数日後に提出期限が迫っているいくつかのレポートであり、あるいはもう少し先の未来に待ち受けるもっと大きな決断を迫る問いであり、過去や現在に対するいら立ちでもある。様々な要因が重層的に重なり訳の分からない姿に化けて、そして心に言い知れぬ不安感を与え続ける。

自分の内面が歪んでいるということを自覚している。一方で自己を否定し続けていると毎日の活動や生活が立ち行かなくなってしまうので、自分のことをある程度肯定しなければならない。そんな時、自分に自己肯定感を与えることができるのもまた自分という存在だけであるので、また歪んだ形で自己肯定を行うことになる。結局、歪みはよりひどくなっていく。

できないことに意味がある。人間の経験や感情は相対化できない、全てのものに絶対的な価値がある。しょぼいもの、ヘタクソなもの、ダメなものが好き。どれも自己弁護のための苦し紛れの論理だ(でも、それでいい?)。

 

逃避のために『まんがタイムキャラット』(7月号)を書店で買ってみた。『New Game!』を久しぶりに読んだ。ここ数年間は単行本を購入していなかったので、自分の知らないキャラクター(ミラちゃんとたまこちゃんと言うらしい)が物語の中心に登場していたのだが、そんな彼女らのやり取りが印象に残った。

同僚のほたるんとミラちゃんに対して、二人の凄い作業を見ていると自身を失くしそうになる、と伝えるたまこちゃん。それに対してミラちゃんは、自分も別の場所では劣等感を感じると告白した上で、「でもそれは恥ずかしいことなんかじゃねえ」「逃げたらラクになるかもって思うことはある」「でも悔しいって思ってるうちはこの仕事が好きってことなんだよ」「ここがたまこにとって価値のある場所だって信じられるんなら絶対逃げんな」と告げる。その言葉に勇気をもらったたまこちゃんは、今度はミラちゃんとまっすぐ向き合いながら、また仕事を頑張っていく。

劣等感を感じるのは、心が諦めていない証拠。ああそうだ、自分はまだ折れていない、(己と)闘う意思があるんだ。そう思えば、この劣等感を糧にして邁進していこうという力が湧いてくるような気がする。

New Game!』には、原作者の得能正太郎さんの人柄がよく表れていると思う。氏の「まじめさ」とでも呼ぶべき性質が、涼風青葉ちゃんという「まじめな」キャラクターを形作り、またキャラクター達の成長物語を作り上げている。今度単行本を読もうと思った。

 

ゆっくり、色んなものを受け入れられるように少しずつ変わっていきたい。