2021-06-20 Some Other Drum

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60年代のアメリカのバンド、The Music Machineからの一曲。同じアルバムの一曲目「Talk Talk」も脳汁がほとばしるようなアツい名曲なのだが、この「Some Other Drum」もめちゃくちゃ良い。暖かなハーモニーと素朴な演奏が身に染みて、聞いていると何ともやさしい気持ちになる。今日初めて出会ったはずなのに、ずっと昔から友達だったような安心感を得る。

録音芸術を聞くという営みと時間体験との関連性を思う。音楽を聞く営みは、現在この瞬間流れていく時間を受け止めるという意味で「今」に対するアプローチであるが、過去の誰かの体験を再生(追体験)するという意味で「過去」に関与しようとする行為であり、またただ音が流れてくるのをじっと期待しながら待つという意味で「未来」を志向する行為でもある、と言えないかとちょっと思った。

 

物事を考えるとき、ある程度は俯瞰的な視点から判断しようとはするが、結局自分が楽をできるように、都合のよいところに自分の回答を落ち着けようとする癖がある。世の中を生きていくために何か信じられるものにすがろうとする、これは人間一般に自然な傾向だとは思う。