Teenage Fanclub - Bandwagonesque (1991)

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ティーンエイジ・ファンクラブ」。この言葉にはどこか甘美的な響きを覚える。

彼らの音楽には、「これ」と言った捉えどころがない。良く言えば普遍的、悪く言えばありきたり。大体どの曲も、ミドルテンポで大味なポップロックソング。それはある意味パワー・ポップそのものであり、そして僕は長い間、彼らの音楽のそういった特質に中々馴染めず敬遠し続けていた。

最近は、彼らの音楽を聞くのが何だか心地よい。自分の音楽嗜好全体が少し変化してきたからか、あるいは彼らの音楽を何度も再生したことで「ツボ」を押さえられるようになったからか、要因はよく分からないが、このバンドの存在をすんなりと受け入れらるようになってきた気がする。

人気曲であるところのM-1「The Concept」やM-4「What You Do To Me」は、単純ながら耳馴染みのよいメロディが印象的な良曲だ。そしてこれらの楽曲が素晴らしいのはもちろんのこと、それとは別に、M-2「Satan」やM-12「Is This Music?」のようなインストゥルメンタルもとてもよく耳に残る。メロディメーカーだけではなくバンド全体が力を持っていることの証であろうか。

 

ティーンエイジ・ファンクラブ」。名前は所詮名前に過ぎないが、彼らの名前を聞くと、何だか思春期的な淡い物語世界を想像して嬉しくなってしまうのは僕だけだろうか。22歳、行き遅れた醜いティーンエイジもどきは、彼らの音楽と妄想の痛み分けを執り行う形で、抱えている様々な悩みに向き合うことをほんの少しだけ先送りにした。