2021-09-30 秋葉原

9月末。秋葉原には、今日も客引きがうじゃうじゃといる。もはやこの街のストリートは客引き達に乗っ取られていて、オタクはじめ一般市民は歩きづらいとさえ思えてくる。

それでも街を歩く。漫画店できららキャラットNew Game!を買い、ゲーセンで稼働最終日のアケフェスとぷよぷよをプレイし、超ライトなコンカフェでオレンジジュースを飲み、カレー屋でカレーを食い、街を歩く。客引きの誘いを無視したり無視しなかったりしながら、街を歩く。休みたくなっても、この街にはじっくり座ってくつろげるような場所がないので、ただひたすら歩く。再開発の高層ビルの足元で壁に寄りかかって立ち止まりながら、街を歩く。淡泊で古臭い雑居ビルの間を歩く。格子状の道で構成される街を一日で踏破するがのごとく、隈なく歩いていく。

ふと街に「カフェ」が大量に溢れていることに気が付いた。いわゆる一般的なカフェもあるが、それ以上にコンセプトカフェやコラボカフェなど少し特殊なカフェが秋葉原にはある。「サービス」を提供するという意味において、この街の特質と上手くかみ合っているのかもしれない。コロナ禍やあるいはそれ以前から進んできた秋葉原の街の空洞化の問題に対して、カフェがその穴を埋める形となるのだろうか。果たしてそれで良いのか。

秋葉原という街のポテンシャルはまだまだこのようなものではないはずだ。それを引き出す答えは、ビルのリノベーションにあるのか、オープンスペースにあるのか、あるいはもっと法的な規制にあるのか。卒業研究ではそういうことに取り組めば楽しいかもしれない。

下の写真は、ラオックス脇の通り。文字通りの「壁」に挟まれたこの道には人は誰もおらず、華美なイラストが空虚に映る。それでもこの通りの静けさは、人ごみの喧騒の中でなぜだかやさしく僕の心を満たしてくれた。

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